「監査法人を続けるべきか、それとも事業会社に転職すべきか」
公認会計士として数年キャリアを積むと、一度は必ずこの選択に悩むタイミングが訪れます。
実際、人材紹介の現場でも「公認会計士が事業会社に入社したあとの実情」についての質問は非常に多いです。
この記事では、
- 公認会計士が事業会社に転職すると何がどう変わるのか
- メリット・デメリットのリアル
- 転職後に後悔しやすいケース・成功しやすいケース
を人材紹介の現場で見てきた実例ベースで解説します。
これから事業会社への転職を検討している会計士の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
公認会計士が事業会社へ転職するケースは年々増えている
近年、公認会計士が事業会社へ転職するケースは明らかに増えています。
背景には以下のような要因があります。
- IPO準備企業・上場企業で会計士ニーズが急増
- 監査法人の働き方に限界を感じる人が増えた
- 「監査以外のスキルを身につけたい」という志向の変化
特に30歳前後〜30代半ばの会計士が、
「今後のキャリアの幅を広げたい」
という理由で事業会社へ転職するパターンが多いです。
公認会計士が事業会社に転職した場合の主な職種
まず、転職先として多いポジションを整理します。
- 経理(決算・連結・開示)
- 財務(資金管理・金融機関対応)
- 経営企画
- 内部監査・内部統制
- IPO
- 管理部門責任者候補(マネージャー・部長)
「経理=単純作業」というイメージを持たれがちですが、
会計士の場合はIPO・財務・経営企画などの難易度の高い仕事や、経理の中でも制度会計・監査対応・開示など、比較的難易度の高い領域を任されるケースが多いのが特徴です。
公認会計士が事業会社に転職するメリット
① 働き方が安定しやすい
最大のメリットとしてよく挙げられるのが、ワークライフバランスの改善です。
- 繁忙期でも深夜・休日労働が少ない
- 年間スケジュールが読みやすい
- 在宅勤務・フレックス制度がある企業も多い
監査法人時代と比べて、
「人間らしい生活に戻れた」と話す方は本当に多いです。
② 会社経営の“当事者”として関われる
事業会社では、
数字が「評価」ではなく「意思決定」に使われます。
- どの事業に投資するか
- コストをどこまでかけるか
- 資金繰りをどう安定させるか
こうした議論に会計士として関われるのは、
監査では得られない大きなやりがいです。
③ スキルの幅が広がる
事業会社に行くことで、
- 会計 × 財務
- 会計 × 経営
- 会計 × 事業理解
といった横断的なスキルが身につきます。
将来的に
- CFO
- 管理部長
- 独立・スタートアップ参画
などを目指す場合、事業会社経験は大きな武器になります。
公認会計士が事業会社に転職するデメリット
① 会計士としての専門性が薄れるリスク
事業会社では、
監査・会計論点の最前線からは距離ができます。
- 新会計基準への感度が落ちる
- 監査スキルは使わなくなる
将来「監査法人に戻りたい」「会計専門職として勝負したい」と考えている場合、
キャリアの戻りにくさは理解しておく必要があります。
② 年収が一時的に下がるケースもある
特に20代後半〜30代前半では、
- 監査法人:800〜900万円
- 事業会社:600〜750万円
と、年収が下がるケースも現実的に存在します。
ただし、
- 残業代がほぼなくなる
- 将来的な昇進・ストックオプション
を含めると、トータルではプラスになるケースも多いです。
③ ルーティン業務が合わない人もいる
事業会社では、
- 月次・四半期・年次決算
- 同じ業務の繰り返し
が一定発生します。
「毎年違う論点を扱いたい」「刺激が欲しい」タイプの方は、
物足りなさを感じることもあります。
事業会社転職で後悔しやすい会計士の特徴
人材紹介の現場で見てきて、
後悔しやすいのは以下のタイプです。
- 「とにかく楽そう」という理由だけで転職
- 会社規模・成長性を見ずに決めた
- 会計士としての市場価値を考えていなかった
特に、ポジションの中身を理解せずに入社すると、
「思っていた仕事と違った」となりがちです。
事業会社転職で成功しやすい会計士の特徴
一方、うまくいく方は共通点があります。
- 5年後・10年後のキャリアを考えている
- CFO・管理部門責任者などの目標がある
- 事業や経営に興味がある
「今ラクになりたい」ではなく、
「将来どうなりたいか」から逆算して転職している人は満足度が高いです。
公認会計士が事業会社転職を考えるならエージェント活用は必須
事業会社の会計士求人は、
- 非公開求人が多い
- ポジションによって当たり外れが大きい
- 面接で見られるポイントが独特
という特徴があります。
そのため、
会計士専門の転職エージェントを使うかどうかで成功確率が大きく変わります。
おすすめの会計士専門エージェント
まとめ|公認会計士の事業会社転職は「目的次第」
公認会計士が事業会社に転職すると、
- 働き方は安定しやすい
- 経営に近い経験ができる
- その一方で専門性・年収面の注意点もある
というのが現実です。
正解・不正解はありません。
大切なのは、「自分はどんな会計士キャリアを歩みたいか」を明確にすることです。
もし少しでも迷っているなら、
まずはエージェントに相談して、
「事業会社に行った場合のリアルな選択肢」を知るところから始めてみてください。


